バイクのシートは長時間のライディングにおいて特に重要な部分です。
快適なシートがあれば長距離ツーリングも楽しめますよね。
しかし、時間が経つにつれてシートの表皮の剥がれや色あせがおき、クッション性も失われていきます。
そんな時、シートを張り替えることで新しい風合いと快適さを取り戻すことができます。
はじめに
純正シートの多くは合皮シートをタッカー(大きいホチキスのようなもの)で固定していきますが、今回張り替えるのは自作したシートでベースに鉄板を使用しているのでタッカーは使えない為、接着剤で固定します。
使用する合皮シートは耐水性・耐候性のあるアウトドア用を使ってください。
シートの状態確認
今回張り替える原因になったのがシートのひび割れです。作ってからだいたい3年ぐらい経ったぐらいでシート側面がこんな感じになりました。
合皮シートをめくるとビニールが一部破れウレタンが濡れていましたがボロボロになっていなかったので合皮のみ交換します。
ウレタンの劣化が進まないように乾燥させる時は風通しが良い日陰で乾燥させましょう。
早く乾燥させようとして直射日光に当てるとウレタンに含まれた水分によって加水分解などの劣化が起きてしまいます。
型取り
まずは古いシートをよく見てください。
シートの縫製にはパーツどうしを縫い付けている糸と補強のための糸があります。
写真で見ると左が縫い付けている部分で右が補強部分です。
裏側から見るとこんな感じです。左が縫い付けで右が補強になっています。
縫い付けは表どうしを合わせて裏から縫う為糸の露出が少なく、補強糸は表から縫っているので露出しています。
縫い付け部分はパーツによって外側だったり内側だったりするので合皮を縫い合わせている糸を切ってパーツに分ける時にどちらが縫い付け部分だったか分かるようにしておくと間違いがないです。
バラバラにしたパーツの縫い付け部分に沿ってハサミで切っていきます。
不要な部分を切ったパーツの表側を新しい合皮の裏側に置いて動かないようにマスキングテープで固定したら輪郭をペンでなぞってください。私はシルバーのボールペンを使ってます。
次にパーツの線から10ミリ大きくした位置に線を書きます。
ここは補強縫いとパーツどうしをホチキスで留める縫い代になる部分で、一部縫い代が狭く書いてある場所がありますがそこは縫う場所ではなく前回製作時に幅が狭かったので少しだけ広くしました。
パーツの型取りが終わったらハサミで切り取りましょう。
縫製開始
合皮シートは厚み0.8ミリを使用し、家庭用ミシンで縫います。
合皮を縫うミシン糸は厚地用で20〜40が良いでしょう。糸が太い方が見た目もかっこいい感じがしますが我が家のミシン針では30が限界ぐらいでした。
パーツどうしを縫うときにホチキスを使うと便利ですが補強縫いの邪魔にならないよう縫い代の端を留めてください。
直線を縫う時はそのままでいいですが、曲線を縫うときは縫い代の半分ぐらい(10ミリの縫い代だと5ミリの深さです)V字カットを入れると固定し易いです。
最初に側面にくるパーツを縫って本体に当ててキツさや緩さがないか確認します。
周長が良かったら、引っ張りに対して縫い付け部分だけでは強度に不安があるので縫い代をどちらかに倒して表から縫います。
補強縫いと縫い付けとの間は私は3ミリにしてますが好みでいいと思いますよ。
側面が終わったら側面と座面のパーツを縫い合わせてから縫い代を側面パーツ側に倒して補強縫いします。
底面のパーツも縫っていきますが底面は前パーツと後パーツがありますが後パーツを先に縫い付けてから前パーツを縫い付けました。
純正シートも基本的な合皮の裁縫はほとんど変わらないので参考にしてみてください。
表皮を被せる
表皮が完成したらウレタンにビニールを被せます。
ビニールは表皮の縫い目から少なからず入ってくる水が中のウレタンに染み込むのを防ぐためと、表皮とウレタンが擦れて摩耗することも防げます。
ビニールはゴミ袋でも良いですが、私はカサカサ音のしない物を使ってます。
ビニールを貼り付けるための接着剤は、いろいろ試した結果G17ボンドが表皮の貼り付けにも使えて1番良いです。
ビニールを貼り付けたボンドが固まったら表皮を被せます。
コツは底面に表皮がかぶさる部分に前もってボンドを塗っておいて少し固まったぐらいで表皮を引っ張りながら貼り付けると綺麗におさまります。
最後に
以前はバイクシートの張り替えは業者にやってもらうことが一般的でしたが、インターネットが普及して欲しい情報が簡単に手に入るようになったことでバイクシートの張り替えは初心者でも比較的簡単に行える作業になりました。
しっかりと準備をし手順に沿って作業することで、愛車をより快適にすることが出来るのでぜひ挑戦してみてください!
自分で張り替えたシートは愛着もひとしおですよ。
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