はじめに
今回は、バイクのウインカーが点滅しないという重要な問題についてお話しします。
ウインカーが点滅せず、インジケーターが点灯しっぱなしになる現象は、安全運転には欠かせないウインカーが正常に機能しないという、非常に危険な状況を引き起こします。
この記事では、この現象の考えられる原因と、ご自身でできる具体的な対処法を詳しく解説していきます。
ウインカーの基本と重要性
ウインカーは、運転者の意図を周囲の車両や歩行者に伝える重要な役割を担っています。右左折や車線変更など、自分の動きを明確に知らせることで、事故を未然に防ぐための必須装備です。
しかし、このウインカーが点滅しない場合は、非常に危険な状態となります。
まずは、この現象の原因を探っていきましょう。
ウインカーの点滅しない!考えられる主な原因とは?
ウインカーが点滅せず、インジケーターが常時点灯してしまう原因には、いくつかの要因が考えられます。以下に代表的な原因を挙げます。
1 バルブ切れ・接触不良
ウインカーのトラブルで最も一般的なのが、バルブの不具合です。ウインカーが正常に点滅するにはバルブに一定の電流が流れる必要があります。
このバルブが切れてしまったり、ソケット部分で接触不良になったりすると、ウインカーは正しく機能しなくなります。
2 ウインカーリレーの故障
バイクのウインカーには、点滅を制御するウインカーリレーが使われています。
このリレーが故障すると点滅しなくなり、インジケーターは点灯したままになります。リレーは消耗品であり、経年劣化によって機能が低下することがあります。
3 複雑な電気系統のトラブル
バイクの電気系統は複雑で、コネクタや配線の接触不良、ショート、断線など、さまざまな問題が起こりえます。
特に古いバイクでは、経年劣化による配線が損傷がウインカーの動作に影響を与えることがよくあります。
見えない場所で発生していることが多く、特定が難しい場合もあります。
4 バッテリー電圧の低下
バッテリーの電圧が低下している場合、ウインカーの正常な動作が妨げられることがあります。
特に何ヶ月もバイクを乗っていない場合や、バッテリーが老朽化している場合は十分な電圧が供給されず、ウインカーが点滅しなくなることがあります。
点滅しないウインカーの対処法と確認手順
それでは、原因が特定できたところで、具体的な対処法を見ていきましょう。
1:バルブの状態をチェックする
まずはウインカーバルブが切れていないか、正常に機能しているかを確認します。
・使用しているウインカーのバルブを取り外し、目視で確認します。フィラメントが切れていたり、焦げが見られる場合は新しいバルブと交換します。
・バルブの接続部分も確認し、接触不良がないか点検します。必要に応じて接点を清掃します。
2:ウインカーリレーを交換する
次に、ウインカーリレーを確認します。リレーは通常、バイクのフレームやハーネスの中に取り付けられています。
・リレーを取り外し、手に取ってみます。振ってみて異音がする場合や、変色や焦げ目がある場合は交換が必要です。
・新しいリレーを取り付け、ウインカーが正常に点滅するか再度確認します。
3:電気系統を診断する
電気系統の問題は複雑ですが、以下の手順で確認できます。
・コネクタや配線の接触状態を確認し、外れているものや腐食しているものがないかチェックします。
・テスターを使用して電圧を計測し、異常がないか確認します。断線など配線の不具合の場合は新しく配線を引き直します。
4:バッテリーの状態を確認する
バッテリーの電圧や状態を確認することも重要です。
・バッテリーにテスターをつなぎ、電圧を測定します。12.6V以上が正常範囲ですが、それ以下の場合は充電を行います。
・バッテリーが古い場合は、交換を検討します。特に定期的な点検を怠らず、バッテリーの寿命を把握することも大切です。
【実録】私のバイクに起きたウインカー不具合と解決策
私が実際に経験したウインカーのトラブルについてご紹介します。
以前ウインカースイッチを入れても左ウインカーが前後とも点滅せず、インジケータランプが点灯しっぱなしになる症状が出ました。

右側は正常に機能していましたが、スイッチを左に入れた後に右に入れると右側も点灯しないという左側と同じ症状が出ました。
フロントまたはリアが点灯せずにハイフラ(ハイフラッシュ:ウインカーが異常な速さで点滅する現象)になるわけではなかったので、考えられる原因は以下の4つでした。
①スイッチの不具合(配線含む)
②アース端子のサビ
③ウインカーリレーの不具合
④ウインカーの不具合(配線含む)
この4つの可能性を一つずつ点検していきました。
まずはネック部分に押し込んだ配線を出して確認。

スイッチ本体の導通は問題ないようだったので、次に配線をチェックしました。
端子を磨き、接点復活剤を吹き付けてしばらく放置した後、組み付けてみましたが改善されませんでした。
続いてアースを集合させたカプラーをチェックするも、サビはなかったので接点復活剤だけ吹きつけて確認しても改善されず。
ハイフラではなかったのでウインカー自体が原因ではないと思いましたが、念のために確認しました。
今度は電装ボックスを開けてウインカーリレーをチェック。

サビはなかったので接点復活剤を吹き付けて確認しましたが、改善されませんでした。
予備のリレーに繋ぎ直しても改善されなかったため、リレーは元に戻し、リアの配線を確認することにしました。
電装ボックスの反対を開けるとこんな感じになってます。

アースに接点復活剤を吹き付け、リアウインカーのカプラーを外してスイッチを入れてみたところ、フロントがハイフラになりました。
ということは、リアの配線に問題があるようだったので、端子を磨き、接点復活剤を吹き付けてみたところ、無事に直りました。
以前から、ウインカーの不具合は左のリアウインカーで起こることがほとんどでした。
しかし、今回はハイフラにならなかったので、別の箇所に問題があるのではと思いましたが、やはり左のリアウインカーが原因でした。
毎回同じ箇所でのトラブルなので、そろそろウインカー自体を交換した方が良いのかもしれません。
作業して正常になっていたのですが、2〜3日後の仕事帰りに雨の中走らせていると、左ウインカーがまたしても点灯せず…
家に帰りカプラーを外してウインカーを出してみたらハイフラにならず、バルブを抜いてもハイフラにならずにインジケーターランプが点灯したまま…
結果として、短絡(※電気回路が異常に短い経路でつながり、電流が流れすぎてしまう現象)が原因でした。
以前、リアの左ウインカーの内部に浸水があり、ひどく錆びていたため、錆を取り除いて使用していました。
しかしこれが原因で、バルブに電気が流れる前にボディへ電気が逃げてしまっていたようです。
試しにソケットを引っ張り出して、配線以外は何も接触しないようにした状態でスイッチを入れると正常に点滅しました。
ソケットの応急処置の様子です。

ウインカー本体とソケットが接触しそうな箇所を絶縁テープでカバーしました。
ソケットを固定する部分も短絡の原因となるため、そこも絶縁テープで覆い、スイッチを入れてみたところ、いつも通り点滅しました。
まとめ
ウインカーが点滅せず、インジケーターが点灯しっぱなしになる現象は、バイクの安全性に大きなリスクをもたらす深刻な問題です。
日々のメンテナンスと、トラブル発生時の迅速な対処が事故を未然に防ぐことに繋がります。
したがってバイクのウインカーに異常を感じたら、すぐに原因を特定し、適切な対処を行うことが重要です。
もしご自身での対処が難しい場合は、無理をせずバイクショップや専門業者に相談しましょう。安全なバイクライフのために、定期的な点検と早めの対処を心がけてください。
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