はじめに
安全に『走る・曲がる・止まる』ためにバイクのメンテナンスは大切ですが、中でもブレーキのパッド交換は安全に直結する重要な作業です。「ブレーキパッドの交換」と聞くと、難しそうに思うかもしれませんが、実は少しの知識と道具があれば、自分でも簡単に行うことができます。このブログでは、初心者の方でも理解しやすいように、バイクのディスクブレーキパッドの交換方法を詳しく解説します。
パッドの交換時期
パッドの交換時期は走行距離なら5000km〜10000kmと言われますがライダーの乗り方で変わってしまうので残量を目安にするのが確実です。パッドのライニングが5ミリ以下になったら毎回乗る前に目視で確認をして、3ミリ以下になったら交換しましょう。1ミリになったら一刻も早く交換するべきです。
キャリパーが2つのバイクの場合はパッドの減りが違う場合が多いので両方ともチェックしましょう。
写真のパッドでだいたい2ミリでした。
交換開始
作業をするときは平坦な場所でジャッキやセンタースタンドでバイクを立てた状態にした方が作業し易いですが、それが難しい時はギヤを1速に入れておくとバイクが動かないので安心です。
交換自体はさほど難しいことではないですし、どうせ外すならピストンなどのメンテも一緒にやった方がいいですが、今回はパッドの交換だけにします。
まず本体をフロントフォークから外す為に写真の抜けかけてるキャリパ一本体のボルト2本を緩めたあとフロントフォークに固定してあるボルトを抜いて本体を外します。
逆に先に本体をフォークから外してしまうと写真の抜けかけボルトを緩めるのが大変なので固定されてるうちに緩める方がやり易いです。
またフロントフォークからキャリパーを外そうとしてもなかなか外せないと思いますが、それはパッドがディスクローターにピッタリ当たっている為なのでキャリパー本体をゆっくりと強く奥(ローター側)へ少し押してやればピストンが押し戻されて引き抜くことができます。
パッド交換だけなのでブレーキホースを痛めないように台の上などに置くといいですね。
パッドとガイド部分を外しました。パッドはキャリパーの種類によってピンやスプリングで止めたれているのでローターからキャリパーを外したらパッドがどのように止められているかスマホで写真を撮りながらバラすと組み戻す時に迷わずにすみます。
パッドかすで汚いですがピストンにサビは見当たらなかったので、ウエスやダストクリーナーでパッドかすを除去して綺麗にする程度ですが、ピストンの錆の有無だけは確認してください。もし錆があっても軽度であれば金属磨きでサビを落とせば問題ありませんが、サビがひどい場合は金属磨きを使っても指で触ると錆の部分がガリガリするなら新しい物に交換が必要です。
ピストンを外すには専用工具が必要なのでやり方はまた今度記事にしたいと思います。
新品のパッドは端が直角の状態なのでヤスリで角を落とします。
落とす量や角度は人それぞれなので私はいつも写真ぐらいにしか落としてません。
ピストンの方はパーツクリーナーで軽く汚れを落としウエスで綺麗にしました。
先程と違うのはパッドを戻してからローターを挟みやすくする為にピストンを押し戻してあります。
片方押すともう片方が飛び出してくるので両手で両方ともゆっくり強く押し戻してください。
そんなに力は要りませんが不安な場合は古いパッド (赤が背面で白がローター面)を入れてドライバー等 (青い線)で矢印のようにこじってやればピストンを戻せます。
ローターを挟めればいいだけなのでガッツリ押し戻す必要はないですよ。
ピストンの準備が出来たら新しいパッドの背面(ピストンが当たるところと反対側のキャリパー本体に接触するところ)にブレーキパッドグリスを塗ってください。
パッドのセットも完了したらキャリパーをフロントフォークに固定しますが外す時の逆手順です。
まずキャリパー側のボルト2本のネジが切ってない部分にグリスを塗ってから手でやれるところまでボルトを締め込みフロントフォークに固定後キャリパ一側を締めます。
ボルトを4本とも閉め終わったらフロントブレーキレバーが硬くなるまで何回か握って離してを繰り返して写真のようにローターとパッドが接触したら実際にバイクを押し引きしてブレーキ制動を確認して終了です。
最後に
キャリパー本体はフォークへボルト締めする際にタイヤの回転方向に押さえながら固定するとブレーキをかけた際にキャリパーが逃げないのでボルトの緩み防止になります。
冒頭にも述べましたがブレーキは安全に関わる大事な部品です。自分で交換出来ると何かトラブルがあっても落ち着いて対応できるようになるので挑戦してみるのもいいと思いますが、自信がない時はプロに依頼して可能であれば作業を見学させてもらえるとイメージがしやすくなるでしょうね。
パッド交換後は実際に走行してブレーキの効き具合の確認や、しばらくの期間は運転前にボルトの緩みのチェックを行なって安全で楽しいバイクライフを送りましょう。
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