ヒューズの系統細分化と増設

DIY

ライダーにとって、愛車をカスタマイズすることは大きな楽しみです。

近年では標準装備しているバイクもありますが、ナビゲーションシステムやドライブレコーダー、充電器などのアクセサリーを取り付けたいと考える方も多いでしょう。

しかし、そういったアクセサリーを安全に使用するためには、適切な電源供給が不可欠です。

そのため、メインハーネスにアクセサリー用のヒューズを増設する方法と私が体験したヒューズトラブルを紹介します。

はじめに

以前出先でドラッグスター250のウインカー配線が雨でショートしてヒューズが切れ、ウインカーとテールランプが点灯しなくなったことがありました。しかも夜に…

ショートしたんだろうとは思いましたが激しい雨の中で電装ボックスを開ける気にもなれず、何とか屋根のあるところでウインカー端子とテールランプ端子を外し、どっちがショートしたのか分からないまま賭けでテールランプの配線を戻して予備ヒューズを入れたところ、ショートしなかったためその場は大丈夫でした。

ウインカーだけなら夜間で視認し辛いとしても手信号が出来ますが、ブレーキをしてもテールランプが点灯しないというのは結構危険だと思います。

そんなことがあり、ウインカーとテールランプをそれぞれ別にヒューズを設けることと、ついでに安全なアクセサリー電源を設けることにしました。

準備するもの

今回はドラッグスタ−250のヒューズボックス内で細分化も増設も完結するので、用意するものは

ヒューズホルダー端子:矢崎総業製ミニブレードヒューズ端子/F-FUSE-MN-8851を2個

くわ型端子:カプラーからのアース線を繋ぐのに使います。

ヒューズ:必要な電流に応じた規格のヒューズを用意します。

2極カプラー:電源とアクセサリーを繋ぐために使います。念の為に防水仕様がベストです。

電線:適切な太さと長さの電線。使用する物にもよりますが1.5sqあればまず問題ありません。

絶縁テープor熱収縮チューブ:接続部分の絶縁用。熱収縮チューブを推奨。

はんだごて:配線を確実に接続するため。

多機能工具:ニッパー・電工ペンチ・など

になります。

ヒューズの系統細分化

まずは系統細分化をしていきます。

写真はメインハーネスを一新する前の状態。

純正からあれこれ変えていたのでギボシ祭りでウインカーの接触不良も時々有り。

端子が剥き出しになるようなことはなかったけど、ショートの原因ではない!とも言い切れず…

奥が抜けてるので余裕がありそうですが実際はもっとギュンギュンに配線が詰まってました。

一新した後で纏められてませんがカプラーに替えて接触不良は無くなりました。

ヒューズボックス6系統化についてですが、ドラッグスター250のヒューズボックスは5系統、

  • ヘッドライト
  • イグニッション
  • シグナル
  • バックアップ
  • キャブヒーター

に分かれていて、現在の私のヒューズボックスは、バックアップヒューズをシグナルヒューズに変えて

  • ヘッドライト
  • イグニッション
  • シグナル
  • キャブヒーター
  • テールランプ
  • アクセサリー

の6系統に分けています。

まずは系統変更の為に配線の確認をしましょう。

バッテリーから出た配線はメインヒューズを通って、盗難防止アラーム・レギュレーター・メインスイッチ・バックアップヒューズに枝分かれしています。

盗難防止アラームはオプション品なので装備していない車両もある為、アラームを付けない人にとってはこの部分の配線が要らなくなりますよね。

このバックアップヒューズは盗難防止アラームの為にあるのでこの部分を使って、テールランプとウインカーそれぞれにヒューズを設けます。

アラームに接続された配線は、先ほどのメインヒューズから1本とイグニッションヒューズから1本、それとバックアップヒューズから伸びてイグナイターから来る1本の3本になります。

それでは作業に入りましょう!

作業手順

注意:配線色は年式によって違うかもしれないので実際の物を確認してください。

STEP1.バッテリーを取り外す

作業を始める前にバッテリーを外してください。安全のためにマイナスから外します。

STEP2.メインハーネスの確認

バックアップヒューズに繋がっている配線を2本とも切ります。ヒューズボックスから3センチほどの位置で切ると残りの作業がやりやすいですよ。

STEP3.プラス配線を繋ぐ

他のヒューズ(イグニッション・ヘッドライト・シグナル・キャブヒーター)は同じ配線(茶色地に青)で繋がっているので、その配線から更に2本分岐させて1本をバックアップヒューズからの赤色配線にハンダ付します。(配線同士のハンダ後は必ず絶縁処理してください)

残りの1本はアクセサリーヒューズに使いますが、細分化させたいだけなら1本分岐させるだけにして下さい。

STEP4.ウインカー配線を切り離す

シグナルヒューズはウインカー・ウインカーインジケーターランプ・テールランプ・メーターライト・ホーンを担当しているので、そこからウインカーの配線を切り離します。

シグナルヒューズから出ている茶色配線はフロントブレーキライトスイッチ・リアブレーキライトスイッチ・ホーンスイッチ・フラッシャーリレー・ウインカーインジケーターランプ(全て茶色配線)とそこから分岐するメーターライト(青色配線)とテールライト(青色地に赤)が繋がっています。

その中のウインカーリレーからシグナルヒューズに向かう茶色配線をシグナルヒューズに1番近い位置で切ります。

ここまで来るとシグナルヒューズに繋がっているのはリヤブレーキライトスイッチ・フロントブレーキライトスイッチ・テールライト・メーターライトで、先ほど切った茶色配線にはホーンスイッチ・ウインカーリレー・ウインカーインジケーターライトが繋がっているはずです。

STEP5.バックアップヒューズにウインカー配線を繋ぐ

先ほど切った配線をバックアップヒューズから出ている配線(赤色地に白)にハンダ付けしましょう。

STEP6.点灯確認

外したバッテリーを繋いでウインカーが点灯するか確認します。

問題なく点灯したでしょうか?ここまでがテールランプとウインカーのヒューズを分ける作業になります。


アクセサリーヒューズを増設する理由

先述しましたがバイクにアクセサリーを取り付ける際、電源供給が非常に重要です。

多くのバイクはメインハーネス内に電源がすでに用意されていますが、その電源が不足している場合や、アクセサリーの種類に応じて専用の回路を用意したい場合があります。

安全性:直にアクセサリーをメインハーネスに接続するのは危険で、ショートや過剰負荷を引き起こす可能性があります。ヒューズを使用することで、これらのリスクを軽減できます。

利便性:ヒューズがあれば、必要に応じて簡単にアクセサリーの電源を切ることができ、メンテナンスも行いやすいです。

増設作業手順

STEP1.バッテリーを取り外す

毎度毎度で面倒ですが電気関係をいじる時は安全のために外しましょう。

外す時はマイナスから。

STEP2.入力ヒューズホルダー端子をハンダ付けする

バッテリーからの配線を入力としました。

先ほど細分化のために分岐させた茶色地に青の配線の先端にヒューズホルダー端子を電工ペンチでかしめてから脱落防止にハンダ付けします。

長さが足らない場合は延長しましょう。

STEP3.出力ヒューズホルダー端子に配線をハンダ付けする

ヒューズから出ていく方を出力とします。

ヒューズボックスからアクセサリーを繋ぎたい位置までの配線を用意して片側にヒューズホルダー端子をかしめてハンダ付けします。

STEP4.出力配線をカプラーに接続する

カプラーに付属しているメス端子を出力配線に取り付け、こちらも脱落防止のためにハンダ付けしてからカプラーに差し込みます。オス端子はアクセサリーに取り付けます。

STEP5.アース線を接続する

カプラーの位置からメインヒューズのアース線(黒色配線)までの長さの配線を用意してカプラーのメス端子とくわ型端子をかしめてハンダ付けします。

くわ型端子の方はメインヒューズにボルト留めされたアース線と共締めして、片方はカプラーに差し込みます。

STEP6.電源の確認

バッテリーを元に戻し、アクセサリーに取り付けたカプラーと増設したカプラーを繋げてイグニッションキーをONにします。

これでアクセサリーの電源が入り、キーOFFで電源が切れれば無事完了です

最後に

ヒューズを細分化することでショートした時の原因を絞り込むことが簡単になりました。

アクセサリーヒューズの増設も純正のヒューズボックスの中で完結できるので、カプラーひとつで付け替えられてスマートです。

電気関係をいじるのに配線図があると電気の流れも確認しやすいので、これからカスタムなどチャレンジされるなら入手しておくと便利ですよ。

セルフメンテナンスでより快適なライディングライフを楽しんでください!

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