この記事を書いた人:tkc
バイクのハンドル周りが、セルスタートやホーン、ウインカー、キルスイッチなど、たくさんのスイッチでごちゃごちゃしていませんか?
純正のスイッチは便利ですが、見た目が重くなりがちですよね。
そこで今回は、ハンドル周りをシンプルかつスタイリッシュに仕上げるためのミニウインカースイッチの取り付け方法を、写真付きで分かりやすく解説します。
作業は自己責任なので「自分でできるかな…」 と不安に感じるかもしれませんが、この記事を参考にすればきっと大丈夫! ぜひ愛車のカスタムに挑戦して、自分だけのバイクを作り上げる喜びを味わってくださいね。
準備編:必要なパーツと工具を揃えよう
作業を始める前に、まずは必要なものを用意しましょう。
使用するミニスイッチ

ミニスイッチにはいくつかの種類がありますが、今回はON-OFF-ONを切り替えられるトグルスイッチ1つを取り付けるタイプを使います。
【注意!】
市販のミニスイッチには、防水仕様ではないものが多く、雨に濡れるとすぐに壊れてしまうことがあります。
せっかくのカスタムが無駄にならないように、必ずON-OFF-ONの防水仕様トグルスイッチを別途購入することをおすすめします。
防水仕様のスイッチは、本体が濃灰色(または黒色)のものが多く、非防水の青色(または白色)のものと見分けることができます。
ハンドルへの取り付け径を確認しよう

ハンドルには、主に2種類の太さがあります。
* パイプ径22.2mm:日本製のバイクに広く使われている一般的なサイズです。
* インチ径(25mm):ハーレーダビッドソンなどのアメリカンバイクでよく使われています。
間違ったサイズのスイッチを購入してしまうと、ハンドルに取り付けられないので、必ず事前に自分のバイクのハンドルのパイプ径を測っておきましょう。
工具を揃えよう
作業に必要な工具も、事前に準備しておきましょう。特殊な工具もありますが、一度揃えてしまえば、今後のカスタムにも役立ちます。
【必須の工具】
- ドリル:ハンドルに穴を開けるための工具。1mm、3.25mm、7mmのドリル刃を用意しましょう。
- ポンチ:穴を開ける位置に印を付けるための工具。
- ヤスリ:穴を開けた後のバリ取りや、形状を整えるために使います。
- M4タップ・タップハンドル:ネジ山(M4)を立てるための工具。
タップ:穴の内側にネジの溝を作る工具。
タップハンドル:タップを回すための専用工具。 - 金槌:ポンチを打つときに使います。
- グロメット(オープンタイプ):配線がハンドルの穴で傷つかないように保護するゴム製のパーツ。5mm穴のものを用意しましょう。
- 液体ガスケット:ハンドルとスイッチの防水に使います。

【あると便利な工具】
- ワイヤー:ハンドル内部に配線を通す際に役立ちます。
- リューター:穴を広げたり、バリを取ったりするのに便利です。
- 切削超硬刃:リューターに取り付けて使う細い刃。

位置決め:スイッチのベストポジションを探そう
さあ、いよいよ作業開始です! この工程では、スイッチをどこに取り付けるか、最適な位置を決め、印を付けていきます。
【作業のポイント】
- グリップやレバーを取り付けていないハンドルを使うと、位置決めや、この後の作業もスムーズに進みます。
- 実際にバイクに跨って、操作しやすい位置や、見た目のバランスが良い位置をシミュレーションしてみましょう。
ステップ①:位置のマーキング

レバー、ミニスイッチ、グリップの位置をハンドルにマーキングします。
ステップ②:スイッチの角度を決める
先ほどのスイッチを取り付ける位置のマーキングに合わせてマスキングテープの両端が揃うように巻きます。


ハンドルをハンドルポストに固定し、ミニスイッチを実際に当てて、操作しやすい角度を決めます。
角度が決まったら、スイッチがマスキングテープに当たる部分にマジックなどで印をつけましょう。これが、スイッチの「センター」になります。
ステップ③:テンプレートの作成と貼り付け
ミニスイッチに付属されているシールに、センター線とスイッチの枠線を書き込み、テンプレートを作成します。
スイッチの枠線はシールを剥がさずにハンドルに当てて、スイッチで押さえつつボールペンで書きます。

【豆知識】
- シールはハンドルに貼りやすいように、輪郭に沿って切り取っておくと便利です。
- マスキングテープに書いたセンターの印と、シールのセンターを合わせて貼り付けましょう。
- シールが斜めになっていないか、もう一度ミニスイッチを当てて確認してください。この確認を怠ると、せっかく開けた穴がずれてしまうので、慎重に行いましょう。

スイッチと枠線が合っていれば大丈夫です。
穴あけ編:ハンドルに穴を開けていこう
位置が決まったら、いよいよハンドルに穴を開ける工程です。この作業が仕上がりを大きく左右するので、慎重に進めましょう。
ステップ①:ポンチで印を付ける
次にトグルスイッチを入れるための角穴と、ボルト固定のためのM4タップ穴を開けていきます。
シールはトグルスイッチを横でも縦でも取り付けできるように印刷されていますが、左右が分かりやすいように赤枠で囲った部分を穴あけすることにしました。
角穴の角部分と、M4タップ穴を開ける部分にポンチで印を付けます。

【注意!】
ポンチを打つときは、金槌で垂直に、確実に打ち込みましょう。少しでも斜めになると、ドリルがずれてしまう原因になります。

次にシールを剥がしたらポンチ跡をマジックで繋いで穴の大きさが分かるようにしておきます。

ステップ②:ドリルの下穴を開ける

ポンチで打った印を目印に、ドリルで穴を開けていきます。
- トグルスイッチ用の角穴:まず、角穴の四隅に2mmのドリルで穴を開けます。これは、角からのひび割れを防ぐためです。
- M4タップ用の穴:M4タップを立てる部分には、3.25mmのドリルで穴を開けます。
ステップ③:穴を広げて形を整える
下穴を開けたら、トグルスイッチが入るように穴を広げます。

- 方法A(ドリル):下穴同士をドリルでつなげていく方法です。
- 方法B(リューター):切削超硬刃をセットしたリューターを使って、少しずつ削り広げていく方法です。
どちらの方法でもOKですが、リューターを使うとよりスムーズに、きれいな穴を開けることができます。最後にヤスリで角穴を整え、実際にトグルスイッチが入るか確認しましょう。

ステップ④:M4タップでネジ山を立てる
M4タップをタップハンドルにセットし、3.25mmの穴に垂直に当てて、少しずつ回しながらネジ山を立てていきます。タップを切る際は、焦らずゆっくりと、慎重に回すことが成功の秘訣です。
ネジ山が切れたら、実際にミニスイッチを仮止めして、ネジがスムーズに入るか確認しましょう。

配線編:ハンドル内部に配線を通す
ハンドルに穴が開いたら、いよいよ配線を通していきます。この工程も、少しの工夫でスムーズに進めることができます。
ステップ①:配線の出口を穴あけ
配線を通すための出口を、ハンドルの根元(ハンドルポストに固定される部分)に開けます。

- 穴の位置:ハンドルの最も下、または見えにくい位置に開けるのがおすすめです。
- 穴のサイズ:5mm穴グロメットを取り付けるため、7mmのドリルで穴を開けます。
ステップ②:グロメットを取り付ける

開けた穴にグロメットを取り付けます。
グロメットは、配線がハンドルの金属部分と擦れて傷つくのを防ぐための重要なパーツです。
*取り付け方法:グロメットを押し込むのが少し大変な場合がありますが、穴にはまるよう丁寧に押し込みましょう。曲面に取り付けるため、グロメットの穴が潰れてしまうことがあるので、取り付けた後にポンチなどを差し込んで形を整えると、きれいに収まります。
ステップ③:トグルスイッチに配線をハンダ付け
先述しましたが、トグルスイッチは防水仕様の物を使います。右側の物が非防水、左側が防水仕様です。

ハンダ付けのやり方は過去記事の覚えておきたい配線加工の基本を参考にしてください。
ステップ④:配線を通す
ワイヤー(配線通し) を使って、ハンドル内部に配線を通します。
出口側の穴からワイヤーをハンドル内部に差し込み、スイッチ側の穴から出します。

グリップ側に出てきたワイヤーを外に引っ張り出します。

5ミリ穴のグロメットだと0.75sqの配線3本が限界なので配線とワイヤーが重ならないようにテープで繋ぎます。

出口側のワイヤーをゆっくりと引き、同時にスイッチ側の配線を軽く押し込みながら通します。こうすることで、配線に余計な負荷がかからず、パイプ内でワイヤーが抜けずにスムーズな作業ができます。

ステップ④:結線して完成!
配線が出口から出てきたら、既存のウインカー配線と新しい配線を繋ぎ直せば、作業は完了です!
ミニスイッチ本体はボルト固定になるため、隙間から雨水がハンドル内に侵入しないように液体ガスケットを少量塗布してから組み付けましょう。
ハンダ付けやギボシ端子の加工方法など、配線の結線方法については、ぜひ過去記事を参考にしてくださいね。
ミニスイッチの取り付けは、少し手間のかかる作業ですが、その分、完成したときの達成感はひとしおです。ぜひこの記事を参考に、自分だけのオリジナルカスタムを楽しんでください!
![]() | 価格:998円 |

![]() | 価格:6780円 |

コメント