車はエンジンなどの主要部品は車内に収まり雨風に晒されるようなことはないですが、バイクはそうではないぶん定期的なメンテナンスや乗る前の確認が必要です。
今回はメンテナンスやカスタムの為に配線の繋ぎ方と接続端子のカシメ方を紹介します。
どんな時に必要か
配線加工が必要になるであろう時は主に
- 配線の被覆が擦れて銅線が見えている
- 取り付けたいパーツの配線が短い
- フォグランプやUSB電源を取り付けたい
となります。
今や持っているのが当たり前になっているスマホもナビを使っていたら充電がなくなってしまったとならないように充電ソケットが標準装備のバイクも出てきましたが、着いていないバイクも多くあります。ツーリング中に充電が切れてしまった…とならないように充電ソケットを取り付けたい人は多いでしょう。そんな時に配線のいじり方を知っていれば自分でやってみるという選択肢も出てくるので覚えておいて損はありません。
使う道具
配線の加工をするのに必要なものは、
- ハンダごて
- ハンダ
- フラックス(ハンダ促進剤)
- 電工ペンチ
- 熱収縮チューブ
- 接続端子各種
基本的にはこれだけあれば問題なく加工できます。
フラックスはジェル状の物と液状の物がありますが、液状の方が綺麗にハンダ付け出来たのでそちらをオススメ。
私はハンダごてとハンダは100円ショップ(こては税込550円でした)で、フラックス・電工ペンチ・熱収縮チューブ・接続端子はホームセンターで買いました。
*フラックスは酸性なので取り扱い説明をよく読んでください。
道具を揃えたら加工していきましょう。
ハンダ付けのやり方
まずは電工ペンチで配線の被覆を剥きます。
ペンチの数字は配線の種類が書いてあるので0.75sq(スケア)の配線なら0.75の溝に配線をセットしてペンチで挟むと被覆部分に切れ目が入り、そのままペンチを握った状態で配線の根本を引っ張れば被覆が剥けて銅線が露出します。注意点はペンチの方を引っ張ると被覆が剥けた時に勢いが付いて危ないので配線の方を引っ張りましょう。
配線どうしを繋ぐならだいたい8〜10ミリぐらい剥けばこの後工程がやり易いです。配線と端子を繋ぐ時は端子によって向く長さが変わるので次項で説明します。
繋ぎ合わせたい配線どうしを写真のようにあわせて、そこからしっかりねじります。
このねじった部分にフラックスを一滴つけ、ハンダごてで熱しながらハンダを当てて溶かし込む。
よく見ると黄色い配線の近くがトゲ状になってます。このままでは支障が出るのでハンダを追加してトゲを無くすか、ヤスリで削って取り除いてください。
トゲがなくなっても繋いだ部分が露出していては漏電して危ないので熱収縮チューブを使います。
熱収縮チューブの使い方
熱収縮チューブは名前のとおりで熱をかけるとチューブが内側に収縮する性質があります。絶縁体なので配線の繋げた後処理に使います。
場合によっては後から入れることが出来なくなるので繋げる前に必要な長さに切って入れておきましょう。私は被覆の途切れている部分プラス10ミリぐらいで切って両側の被覆に均等に被せます。被せてドライヤーの熱で収縮させたのがこちら。
しっかり縮んでピッチリしてます。
熱伸縮チューブは絶縁体ですが、前項のようにハンダ付けした配線にトゲがあると熱伸縮チューブを突き破って結局漏電してしまうのでトゲが出ないように気をつけてねじるか、多めにハンダする・ヤスリがけしてトゲを取りましょう。
今回は0.75sqの配線なのでチューブは2φを使用しました。配線によって使い分けるので私は2・4・6・10φを持っています。
端子のかしめ方
以前の記事、『電気配線や接続端子の種類』でも触れましたが、端子には種類が多くあります。今回はその中の「平型端子」(オス)を使ってかしめ方を説明します。
①が配線を被覆ごとカシメるツメで、②が銅線をカシメるツメです。
配線は1.25sqを使用して先端の被覆を4ミリぐらい剥きました。これを平型端子にセットします。
被覆を剥いた部分が②のツメより出過ぎてしまうと端子を接続するときに邪魔になってしまうのでツメの中にちょうど収まるぐらいが理想ですね。この部分が端子によって違うので使うものに合わせてください。
実際にカシメるのは電工ペンチの先端部分を使います。
出っ張りがある方がツメ側です。使う配線が1.25sqなので②のツメは真ん中でかしめます。①のツメは左の3.0~5.0でカシメてください。
人にもよりますが私はこの状態まで作ったら抜け防止と安心の為に②のツメと配線をハンダ付けします。
メス端子も取り付け方は同じですがメス端子の方はカシメる前に絶縁スリーブを配線に通してからメス端子をカシメて絶縁スリーブを端子に被せてください。
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