キャブレターの種類によっては加速ポンプという装置が付いているのをご存知でしょうか?
私はドラッグスター250で初めて加速ポンプに出会ったので便利なものなんだろうと思っていましたが、どうも私の乗り方では恩恵を受けられない機構でした。
今回は加速ポンプについてと、その調整方法を解説します。
はじめに
私が調整をするきっかけになったのは丁寧にアクセル操作しても発進時にドンッ!と加速する時があるのが不快だったのと、セルは回るのにエンジンがかからないという不具合があり、プラグを確認したら濡れていた(かぶっていた)ので調べていったら加速ポンプに行きつきました。
プラグが全体的に濡れていて、ネジ部分は特に濡れていました。
プラグがかぶると電極から火花が出づらくなりエンジンの始動不良が起こります。
加速ポンプとは
加速ポンプはキャブレターの機構の一部ですが、装備されている物と装備されていないものがあります。
加速ポンプという名前だけだとターボやニトロみたいな超加速するようなイメージになっちゃいますよね。
実際にはそのようなことはなく、コーナーからの立ち上がりなどでライダーが急激にアクセルを開けた時に急増する吸気に対して、どうしても薄くなるガソリンを強制的に送り込む機構になってます。
加速ポンプの仕組みと調整方法
ドラッグスター250の加速ポンプはキャブレターのアクセルワイヤーのすぐ横にあるので純正エアクリーナーのボックスを外せば見えると思います。
加速ポンプの構造はアクセルの開度に合わせて緑線のレバーが緑矢印の方向に動き、赤矢印のロッド(加速プランジャー)を押し入れてキャブレターの中にガソリンを流し入れる仕組みになってます。
このロッドが押し込まれる量を白丸のネジで調整するわけです。
例えば、ネジを絞めてロッドにレバーが当たらないようにすると加速ポンプは作動しません。
そこからネジを緩めていくとアクセルオフからネジにレバーが当たるまでの間でガソリンをポンプから出します。
ネジを動かしてロッドの可動域を決めたらネジをナットでロックしたら走行を繰り返して1番自分に合った位置を探ってみましょう!
加速ポンプのメリット・デメリット
まずはメリットから。
バイクの直線での加速や、コーナーでの立ち上がりなどは自分でアクセルを開けながらエンジンの回転やパワーを感じて開度を調整する(昔で言うならバイクと対話しながらアクセルを開ける)のですが、加速ポンプがあると多少雑なアクセルワークでも問題なく走れます。
デメリットとしては、
加速を緩やかにおこなう人や、渋滞時のストップ&ゴーの場合でもアクセルを開ければジェット類の調整に関わらずガソリンの流量が増えるのでガソリンが濃い方向に傾いてしまう。つまり燃費が悪くなります。
私のプラグが濡れてかぶっていたのもこれが原因でしょう。
加速ポンプをどうするか?
私の中で問題だったのは、エンジンがかかっている時なら出てきたガソリンは流入してくる空気に当たって霧状になりますが、この加速ポンプはエンジンが始動してなくてもポンプ内にガソリンが溜まっていればアクセルオンで出てくることです。
ドラッグスター250のキャブは斜め上向きなので加速ポンプから出てきたガソリンはそのまま燃焼室へ入ってしまいます。
なので、ドラッグスター250に乗っている人はエンジンがかかっていない時にむやみにアクセルを開けない方が良いでしょう。
加速ポンプを使うか使わないか、使うならどのくらいの開度までガソリンを出させるか(構造的には出させる量もセッティング出来るでしょう)はライダー次第です。
最後に
加速ポンプはあれば便利なところもありますが、私のドラッグスター250は完全にキャンセルしています。
もともと走るためにあった機構を不動にするのはどうなんだろうという思いもあって一時期はセッティングをこまめにしていましたが違いが分かりずらい…
キャンセルして真冬に暖機している時にアクセルを捻るとエンストしそうになりますが、加速ポンプで少しガソリンを送り込む形にするとそれは防げますし、チョークを引っ張らなくてもアクセルを数回あけてから始動するとかかりやすかったりします。
ですが、そのぐらいのために普段必要としないガソリンを使って燃費が悪くなるのも勿体ないし、キャブレターのセッティングが出来ていれば問題にはなりません。
純正のまま乗られているなら何も不都合はないはずなので、吸排気のカスタムしたら考える。というスタンスで良いんじゃないでしょうか。
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