「フロントフォークに付いているゴムパーツ(ダストシール)がヒビ割れている…」 「DIYで交換してみたいけど、自分でもできるかな?」
そんなバイク初心者さんに向けて、今回はグラストラッカービッグボーイを例にしてフロントフォークダストシール交換手順を分かりやすく徹底解説します!
ダストシールは、フロントフォーク内部へのゴミや水の侵入を防ぐ大切なパーツです。放置するとオイル漏れの原因にもなるので、ひび割れていたら早めに交換しましょう!

フロントフォークのダストシールとは?交換が必要な理由
ダストシールは、フロントフォークのインナーチューブとアウトチューブの境目にあるゴム製のカバーです。
放置するとどうなる?
- ゴミや雨水が内部に侵入し、インナーチューブに傷がつく
- 奥にある「オイルシール」が傷ついてフォークオイル漏れが発生する
- 最悪の場合、ブレーキディスクにオイルが付着してブレーキが効かなくなる

写真は、ひび割れからの水が原因でオイル漏れを起こしたドラッグスタ−250のフォークです。
ひび割れがありましたが、交換しなきゃなぁと思ったまましばらく放置してしまいオイル漏れが発生。
中は水とオイルと錆でドロドロでした…ここまでになってしまうとオーバーホールしなくてはいけません。
ダストシールに細かいヒビが入ってきたら、オイル漏れを起こす前の予防整備として交換するのがベストです!
作業に必要な工具・ケミカル・純正部品
作業を始める前に、必要なものを揃えておきましょう。
必要なパーツ
- 純正 ダストシール(左右分2個) ※年式や型式によって適合品番が異なる場合があるため、ご自身の車両のパーツリスト等で事前にご確認ください。
必要な工具・ケミカル
- ジャッキ(バイク用フロントジャッキ、またはアンダーフレームを支えられるジャッキ)
- メガネレンチ・ソケットレンチセットなど(車輪やブレーキキャリパー、フォーク固定ボルトの脱着用)
- マイナスドライバー(細めのもの/マスキングテープを巻いて保護しておく)
- シリコングリス(ゴム類を傷めず滑りを良くするため)
- ウエス(ボロ布)&エアダスター
- トルクレンチ(安全のため、組み立て時の規定トルク管理に推奨)
安全に作業するための重要チェック事項(作業前の準備)
- 平らで安定した場所で作業する(傾いた場所でのジャッキアップは転倒の危険があります)
- ジャッキアップ前にアクスルシャフトなどの大きなボルトを緩めておく(車体を持ち上げた後に強い力をかけるとグラついて危険です)

【手順解説】ダストシール交換の6ステップ
ここからは具体的な作業手順を順番に解説します!
STEP 1:事前緩めとフロントのジャッキアップ
まずはフレーム下にジャッキをかけ、バイクが接地している状態で、アクスルシャフト(前輪の軸)を留めているボルト、ブレーキキャリパーのボルトを「軽く力をかけて緩む程度」に緩めておきます。
バイクを支えながらフロントタイヤがわずかに浮く程度まで慎重にジャッキアップした後、フロントフォークを挟み込んでいるクランプ部のボルトも緩めましょう。
チェックポイント:ジャッキアップしすぎても作業がやりづらくなるため、ハンドルの向きを軽く変えられる程度が良いかと思います。
STEP 2:フロントホイールと周辺部品の取り外し
ブレーキキャリパーを取り外し、ブレーキホースに負荷がかからないようS字フックなどで車体に吊るしておきます。
キャリパーを取り外した後でブレーキレバーを握ってしまうとピストンを戻すのが大変なので注意してください。

アクスルシャフトを抜き取って、フロントホイール(前輪)とフロントフェンダーを取り外します。

アクスルシャフト固定ボルトの位置は車種によって異なります。

気軽に外す部分ではないので「ついでの整備」としてアクスルシャフトの傷や偏摩耗もチェックしておきましょう。

アクスルシャフトが無事なら、こちらも問題ないことがほとんどですが、ハブ内のベアリングも指でスムーズに回るか要チェックです。
もしもベアリングを回したときに引っ掛かりやゴロゴロといった感触があった場合は必ず交換です。
交換方法はこちらを参考にしてください。
チェックポイント:外したアクスルシャフトを傷をつけないように作業終了までウエスに包んでおいたり、ベアリングにゴミが付着しないようウエスで塞いでおくと良いでしょう。
STEP 3:フロントフォークの取り外し

- ステム(ステムトリプルツリー)のフォーク固定ボルトを緩めます。
- フロントフォークを下に引き抜くようにして車体から取り外します。

チェックポイント:フォークを引き抜いた際、インナーチューブに目立つ深いサビや点サビがないか目視で確認しましょう。点サビがある場合は、新しいシールを傷つけてしまうため表面のケアが必要です。
STEP 4:古いダストシールの取り外しと清掃

- マイナスドライバーの先端にマスキングテープを巻き、アウターチューブ(金属のフチ)とダストシールの隙間に差し込みます。
- てこの原理でぐるりと少しずつ浮かせ、古いダストシールを取り外しましょう。

シールがはまっていた溝やインナーチューブ周辺をウエスやエアダスターで綺麗に清掃します。(パーツクリーナーはオイルシールを傷める可能性があるので使用しないでください)
チェックポイント: ダストシールを取り外した奥に見える「ストッパーリング(クリップ)」や溝にゴミが溜まっていないか確認し、綺麗に拭き取れていることを確かめてください。
ダストシールの外には出て来ていなくても、ダストシール内にサビが発生していた時はオイルが滲みがなければ推奨程度ですが、オイルが滲んでいる場合はオーバーホールです。
フロントフォークのオーバーホールはこちらを参考にしてください。
STEP 5:新しいダストシールの取り付け

- 新しいダストシールのリップ部分(内側のゴムのひだ)と、インナーチューブ接地面に薄くシリコングリスを塗布します。
- ダストシールをインナーチューブの上部から通し、アウターチューブの端面まで降ろしますが、
インナーチューブ上端の角でシール内面が傷つかないようにセロテープやラップなどで角を覆ってください。 - 手で均等に押し込み、全周均等に「パチッ」と奥まで打ち込みます。

チェックポイント:保護のためダストシール外側にもシリコングリスを塗ると良いですが、塗り過ぎは砂やごみの付着に繋がるので艶が出る程度の塗り方にしましょう。「塗ったグリスをウエスで軽く拭き取る」ぐらいでもいいです。
STEP 6:組み戻し
取り外した逆の手順でフロントフォーク、フェンダー、ホイール、ブレーキキャリパーを組み戻します。
アクスルシャフトは差し込む前に古いグリスを除去し、新しいグリスを塗布してから組み込みましょう。
規定トルクで確実にボルトを締め付る。(締付トルクは必ずサービスマニュアルをご確認ください)
チェックポイント: 全て組み終わったらジャッキを下ろし、フロントブレーキをかけた状態で車体を前後に数回強く押し込み(ストロークさせ)、ダストシールが浮き上がってこないか、引っ掛かりなくスムーズに動くか確認します。
まとめ:定期的なメンテで愛車を長持ちさせよう!
ダストシール交換は、フロントフォークを車体から抜き取る作業が必要ですが、構造自体はシンプルなので手順を守ればDIYでもチャレンジしやすい整備です。
- ヒビ割れを見つけたら早めに交換
- 作業時はジャッキアップの安定性とボルトの締め付け(トルク管理)に注意
- ゴムパーツには必ず適量のシリコングリスを使用する
愛車のリフレッシュをして、快適で安全なバイクライフを楽しみましょう!


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