バイクの運行にはさまざまな部品が関与していますが、その中でも電気系統を司るレギュレーターと電気の源になるジェネレーターは非常に重要な役割を果たします。
レギュレーターが正常に機能しないと、バッテリーの過充電や不足、さらには電装品の不具合など、多くのトラブルを引き起こし、ジェネレーターが正常に機能しないと発電がされません。
そこで今回は、バイクのレギュレーターとジェネレーターの点検方法について詳しく解説します。
はじめに
今回ドラッグスター250のレギュレーターとジェネレーターを点検しました。ドラッグスター250のレギュレターはサイドカバーの鍵を開けてバッテリーの隣、後輪側にボルト固定してあります。
場所の写真があると分かりやすいんですが、この辺は私のは純正と全く変わってしまったので割愛してバッテリー・レギュレーター・ジェネレーターのチェックのやり方を説明していきます。
テスターはアナログの物を持っていましたが、パッと見て数値が分かるデジタルの物を新しく買いました。
それでは作業手順に入る前に各装置の説明をします。
レギュレーターとは
バイクのレギュレーター(レギュレータ)は、ジェネレーターで生成された交流電力を直流に変換し、適切な電圧に調整する役割を持つ部品です。
この過程で、バッテリーに必要な電力を安定供給し、バイクの電装系を保護します。レギュレーターは一般的に、ジェネレーターとバッテリーの中間に配置されています。
レギュレーターの役割
レギュレーターの主な役割は次の通りです。
電圧調整:バッテリーに流れる電圧を一定に保つことで、バッテリーが過充電や不足の状態にならないようにします。
電装品の保護:正常な電圧が供給されることで、ライトやメーター、各種センサーなどの電装品を保護します。
レギュレーターの不具合の前兆
レギュレーターが故障すると、次のような兆候が見られることがあります。
バッテリーの過充電や不足:バッテリーがすぐに消耗する、または逆に充電しすぎる。
ライトの明るさの変動:ヘッドライトやウインカーの明るさが不安定になる。
電装品の故障:メーターやセンサーが正常に作動しない。
これらの兆候が見られる場合は、速やかに点検を行うべきです。
ジェネレーターとは
エンジンの回転エネルギーを電気エネルギーに変換する装置で、主にバッテリーの充電や、バイクの電装系(ライト、ウィンカー、燃料計など)の電力供給を行います。
ジェネレーターは一般的に「オルタネーター」とも呼ばれ、エンジン回転に応じて発電を行います。
ジェネレーターの役割
バッテリーの充電: バイクのバッテリーはエンジン始動時に電力を供給しますが、ジェネレーターは走行中にバッテリーを充電します。
電装系の電源供給: ライトやウィンカー、メーターパネルなどの電装系に必要な電力を供給します。
エンジン制御: 一部のバイクでは、エンジンECUに必要な電力も供給しています。
ジェネレーターの不具合の前兆
ジェネレーターに不具合が発生する前には、いくつかの兆候があります。以下はその例です。
バッテリー上がり: より頻繁にバッテリーが上がる場合、充電問題の可能性があります。
オルタネーターランプの点灯: バイクのインジケーターに異常を示すランプが点灯することがあります。
ライトの明るさの変動: ライトが通常よりも暗くなったり、明るくなったりする場合、発電に問題があるかもしれません。
ウィンカーのフラッシング速度の変化: ウィンカーの点滅が速くなったり遅くなったりすると、電力供給の問題が考えられます。
走行中の異音: ジェネレーターから異音がする場合は、内部の部品に不具合がある可能性があります。
エンジン始動の難しさ: エンジンがかかりにくくなることがある場合、バッテリーが十分に充電されていないか、ジェネレーターに問題がある可能性があります。
長くなりましたが、点検に入りましょう。
レギュレーターの点検方法
レギュレーターの点検は、以下の手順で行います。
目視点検
まずは、バイクのレギュレーターを目視点検します。
安全確認:バイクを安定した場所に停め、エンジンを停止します。必要に応じて、バッテリー端子を外します。
ハーネスとコネクタの確認:レギュレーターに接続されているハーネスやコネクタに損傷や腐食がないか確認します。特に熱による変色や焦げた跡がないか注意深くチェックしてください。
レギュレーター自体の状態:レギュレーター本体に亀裂や変形がないか確認します。異常が見られる場合は交換が必要です。
電圧の測定
電圧の測定は、レギュレーターが正常に機能しているかを確認する一番の方法です。
バッテリーとレギュレーターのチェック
テスターのツマミを直流Vの位置にしてエンジンをかけていない状態でバッテリーの電極にセットします。

12V車の場合、 バッテリーはだいたいこのぐらい 12.6 ~ 12.8ぐらいになります。 13 以上あると異常の可能性がありますが、 走行した直後に測ると13以上をさすのでエンジンが冷えてから測りましょう。
次にエンジンをかけて計測します。

そうすると13~14ぐらいになります。 バッテリーを充電するには電位差が必要な為、エンジンをかけた時は停止時より電圧が高くなります。
これも15V以上となるとレギュレーターに負担がかかってきます。
ここまでがバッテリーとレギュレーターの劣化具合チェックです。
次にジェネレーターのチェックをします。
まずレギュレーターのカプラーを外します。
カプラーに刺さっている赤はバッテリー、黒はアース、白の3本がジェネレーターからの配線です。

この3本の白配線をテスターを使ってチェックしていきます。
エンジンがきれた状態でテスターのツマミを抵抗Ωに合わせてそれぞれの配線をチェックします。
配線3本をABCとしてテスターの赤と黒の棒を例えば
赤 黒
① A B
② B C
③ C A
といった感じで3本を測った時にそれぞれの数値がだいたい同じか確認します。
私の場合は7~8でした。
次にエンジンをかけた状態で先程と同じように3本とも計測しますが今度はテスターのツマミを交流Vに合わせます。
これも計測結果が3本がほぼ同じ数値なら問題ありません。
私の場合は15.7ぐらいでした。
3本の計測結果で抵抗値に差があるようなら配線の劣化、抵抗値はほぼ同じなのに発電した電圧に差があるようならジェネレーターのコイルの不具合が疑われるのでお店に持って行くのがいいでしょう。
接続部分の確認
接続部分の確認は、レギュレーターが正常に機能するために重要です。

接続チェック:レギュレーターのハーネスとコネクタが確実に接続されているか確認します。緩んでいたり外れていたりする場合はしっかりと接続します。中の端子が錆びていないかも確認しておきましょう。
まとめ
バイクのレギュレーターは、電装系の安定性を保つために欠かせないパーツです。
定期的な点検を行うことで、故障やトラブルを未然に防ぐことができるので視覚的な点検、電圧測定、接続部分の確認を行うことで、レギュレーターが正常に機能しているかをしっかりとチェックしてください。
もし異常が見つかった場合は、適切な対応を行い、安全なバイクライフを維持しましょう。
レギュレーターはジェネレーターから来る電気を調整してバッテリーに送ってくれますが、余った電気を熱として発散するため走行時はそこそこ発熱します。
ドラッグスタ−250のレギュレーターも冷やすためにフィンが付いてますが初めの頃の物は熱に弱かったらしいので熱対策品かどうか確認した方がいいと思います。
熱対策品は四角で、対策前は丸い形状だったらしいです。
定期的なメンテナンスが長持ちの秘訣ですので忘れずに行ってください。
あなたのバイクが常に快適に走れることを願っています!
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