ニュートラルランプが点灯しない時

メンテナンス

ふだん何気なくしか気にしないニュートラルランプですが、点灯しなくなると不便です。

ニュートラルになっているかわからないとセルスタートもクラッチを握りながらじゃないと出来ませんし、信号待ちでニュートラルに入れたつもりがギアが入ったままでエンストすることもあるでしょう。

ニュートラルランプが点灯しない原因は?

ニュートラルランプが点灯しなくなる原因として考えれるのは

1.バルブの不具合:ランプ自体のバルブが切れている、または接触不良を起こしている。

2.電圧の問題:バッテリーの電圧が不足している場合や、充電系統に問題がある。

3.ギアポジションの不具合:ギアボックスの内部で問題が発生し、ニュートラル位置のセンサーが正しく働かない。

4.ニュートラルスイッチの故障:ニュートラルスイッチが故障していると、ニュートラル位置を正しく感知できずニュートラルランプが点灯しません。

5.配線の問題:配線がどこかで断線しているか、ショートしていてニュートラルランプが点灯しない。

こんなところですかね。

原因になっている部分を探す

1.ランプのバルブ切れは目視で確認します。フィラメントが繋がっているか確認しましょう。

2.バッテリーの電圧はテスターを使い、だいたい12.6〜12.8Vになっているか確認しましょう。充電系統の問題はエンジンをかけた時に電圧が13〜14Vぐらいなら正常です。ここは過去記事「レギュレータとジェネレーターの点検方法」を参考にして下さい。

3.ギアポジションの不具合とはギアボックス内にあるギヤシフトカムストッパーという部品が摩耗してニュートラルに入りづらくなってしまうものです。

ちょっと特殊だと思いますが、ギアポジションの不具合で私が経験したのは、オークションで落札したグラストラッカービッグボーイのギヤシフトカムストッパーNo.2という部品を押さえるスプリングが無くなっていてニュートラルに入らない(非常に入りづらい)ことがありました。

左がギヤシフトカムストッパーNo.2。

普段なら無くなることはありえませんが、オイル交換を個人でした場合に間違ってギヤボックス側のドレンを開けてしまい、気が付かなくてそのまま捨ててしまうことがありえそうです。

向きは丸い方が上になるので間違えないように。

4.ニュートラルスイッチはエンジンに直接取り付けられていて、このスイッチの接点が摩耗して接触が悪いとニュートラルランプが点灯しません。

5.配線の問題は目視とテスターを使った点検しか対処出来ません。カプラーを外して端子にテスターを当てて導通のチェックをします。


原因になりそうなところを5つ書きましたが、バルブ切れは目視で電圧や配線の異常はテスターで調べることができそうです。

それ以外の部品の摩耗については判断が難しいところですよね。

対処法

1. バルブ切れの場合は新品に交換。

2. 電圧異常はバッテリーが弱っているのかレギュレータが壊れているのかをテスターで確認して新品に交換。

3. ギヤシフトカムストッパーはニュートラルにすんなり入るかどうかを判断材料にするしかありません。摩耗している場合は入りづらくはなりますが、猶予があるならオイル交換時に新品に交換するのが無駄がないでしょう。

4. ニュートラルスイッチはメインハーネスと繋がっているカプラーを外してテスターで導通確認をします。導通がなければ新品に交換しましょう。

5.配線は1〜4に問題がなければニュートラルランプに関係するカプラーを外して総当たりでテスターチェックする必要が出てきます。

私が経験したこと

私の場合はまず1〜3は問題がなく、レストア中にギヤシフトカムストッパーが無いことに気付いて新品を入れたにも関わらずニュートラルランプが点灯しないのでエンジンオイルが入っていないついでにニュートラルスイッチのチェックをしました。

注:エンジンオイルが入った状態でニュートラルスイッチを外すとオイルが滲み出てきます。

まずカプラーを外してテスターでチェックすると導通がない。

当時はニュートラルスイッチの中には制御盤のような物が入っているんだと思ってました。

この状態だと故障の原因が何か分からないけど致命的な事なら交換すればいいや。どうせダメなら交換だし、やれることをやってやろうという好奇心でスイッチ本体を車体から外す。

スイッチを外した車体側にポッチが2つあるんですがそこの導通はある。

それぞれの配線とスイッチ本体にある円形の電極をテスターでチェックしていくとアース配線だけ反応なし。

中心にあるボッチがアースでもう1つがニュートラルの電極っぽい。

スイッチ本体がダメなのか配線がどこかで切れてるのか分からないので試しにアース配線に針を刺してテスターで抵抗を測ると針からカプラーは導通があるけど針からスイッチの導通がない。たまたま刺した針からスイッチのどこかで断線してるとは思えないので、スイッチ本体に何かあるんでしょう。

配線は3本まとめてスイッチのコーキングの中に入ってます。

裏は円形の電極が5つと他の5つより小さい電極が1つ。

小さいやつの片側に大きいのが1つと反対側に4つあって、小さいのが青色配線と繋がるニュートラルで左右のやつは1速から5速で真ん中がアースのはず。ただ4速であろう位置とピンク線が反応してるのが分からない。

4速になにかあるのか?ピンク線はCDIに繋がってるけどそこから先は分からない。

どうせおかしいんだからどんどんやってやれ!ってことでコーキングをメリメリ剥がしていたら発見しました!赤枠の銅板?が切れてる。

試しにチェックしてみると銅板の上側と反対側のセンターの電極、下側の銅板とカプラーのアース端子が繋がってました。

だからこの銅板がハンダされてる所を繋いでやればアース線が復活するって事ですね。

銅板はかなり薄いので家にあった1番細い配線コードではんだ付けしてやりました。

青線とアース、ピンク線とアースのそれぞれOKになったのでスイッチをエンジンに戻します。

ニュートラルスイッチ復活!

あとは剥き出しになったところを再度コーキングで埋めて完了。

ニュートラルにすんなり入るようになったし、ニュートラルランプも点灯するようになってスッキリしました。

最後に

ニュートラルスイッチの摩耗と配線の不具合は車体に取り付けたままで判断するのは不可能なんじゃないかと感じました。

今回のようにたまたまエンジンオイルを抜いた状態になっていなければ、車体からスイッチを外そうとしている最中に滲み出てくるオイルにビックリして慌てて元に戻していただろうと思います。

ニュートラルランプが点灯しない原因がストッパーかスイッチにあると判断できる状態なら、それらを直すついでにオイル交換をしてしまうか、オイル交換のついでにそれらを直すかの2択じゃないでしょうか。

抜いたオイルをもう一度利用するという手もあるかもしれませんが…

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