はじめに:オークションでバイクを買うってどうなの?
バイクの購入方法にはいくつかの選択肢がありますが、オークションはその中でも魅力的な選択肢の1つです。
通常の販売店での購入に比べて低価格で手に入れるチャンスがある反面、リスクも存在します。
「安く買えるのは魅力的だけど、なんだか難しそう…」「初心者でも失敗しないか不安…」と感じている方もいるかもしれませんね。
この記事では、オークションでバイクを購入する際のメリット・デメリット、さらに購入後の注意点について詳しく解説していきます。
私が実際にオークションで購入した際の具体的な点検事例も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
オークションの基本を知ろう
オークションは、個人や業者が出品物を競り合って購入する形式の取引です。
公的なオークションやオンラインオークションがあり、幅広い車種が出品されるため、選択肢が非常に豊富です。
一般的に、一番高い値段を提示した人がそのバイクを購入することができます。
忘れてはいけないのが、バイクの運搬です。自分で取りに行くか、運送業者に依頼するかなど、購入後のバイクの運搬方法を事前に計画しておくことが大切です。
オークションでバイクを購入するメリット
1. 圧倒的な価格の魅力
おそらく、オークションでバイクを購入する最大のメリットは、その価格の魅力です。
オークションでは、業者や個人からバイクが出品されますが、価格は自由に設定されており、相場よりも安く手に入るケースが多くあります。
そのため、同じバイクをディーラーで購入する際に比べて、数万円から数十万円の節約ができるケースも珍しくありません。
2. 豊富な選択肢と希少性
オークションサイトには、多種多様なバイクが出品されています。
新車から中古車、さらには珍しいカスタムバイクまで幅広く出品されており、選択肢が非常に豊富です。
また、市場にあまり出回らないモデルや、特別な仕様のバイクが見つかることもあります。
特にバイクファンやコレクターにとって、オークションは珍しいモデルや廃盤になったバイクを見つけるための絶好の場所です。
これらの商品は市場にあまり出回らないため、オークションでの発見は非常に価値があります。
コレクター向けのバイクや、特別仕様のバイクを探している人には最適です。
オークションでバイクを購入するデメリットとリスク
1. 見えないリスクと情報不足
オークションでの購入は、当然ながらリスクが伴います。
特に、状態の悪いバイクを引き当ててしまう可能性もあるため、十分な情報が無いまま購入することは避けましょう。
また、信頼できない出品者も存在するため、出品者の評価や取引履歴を必ず確認することが重要です。可能であれば、現車確認をしておくことを強くおすすめします。
2. バイクの状態が不明なケースが多い
オークションでは、出品者が自己申告でバイクの状態を記載していますが、その内容が必ずしも正確であるとは限りません。
バイクの整備記録や修理歴が不明な場合もあるため、購入前にできるだけ詳細な情報を取得するよう努めましょう。
3. 激しい競争と予算オーバー
人気のあるバイクや同じモデルが多く出品されている場合、競争が激しくなります。
私のグラストラッカービッグボーイは、予算より4万円高くなりましたが無事購入できました。
しかし、最終的に予算よりも高値で落札されてしまうことも珍しくありません。
特に新型モデルなどは高値安定になることが多く、慎重な見極めと戦略が必要です。
特にネットオークションでは、終了間際に価格が高騰するケースが多くみられます。
オークションでバイク購入後、後悔しないための注意点
1. 書類の確認と名義変更
バイクを購入したら、まず書類をしっかりと確認しましょう。
名義変更などで必要になる登録証や保証書などが揃っているかチェックします。
2. バイク保険への加入は必須
バイクに乗る際は、必ず保険に加入する必要があります。
特にオークションで購入した新しいバイクや高額なバイクの場合、万が一の事故に備え、十分な補償内容の保険に加入することをおすすめします。
特に自賠責保険は法的に加入が義務付けられていますので、忘れずに確認しましょう。
3. 納車後の徹底的なメンテナンス
先述したとおり、オークションで購入したバイクは、状態が不明な場合が多いです。
そのため購入後すぐに整備を行うことが重要です。オイル交換やタイヤのチェック、ブレーキの点検など、基本的なメンテナンスを行うことで、安全に乗ることができます。
特に、中古のバイクは経年劣化が進んでいる可能性があるため、早めのメンテナンスが求められます。
筆者体験談:グラストラッカービッグボーイの点検項目を大公開!
ここからは私が実際に落札したグラストラッカービッグボーイの点検項目を紹介しますので、参考にしてください。
【実例】落札したグラストラッカービッグボーイの初期点検

オークションで2006年式グラストラッカービッグボーイを個人から落札しました。
カスタム車両なので状態を把握する為にバラしながら確認していきます。
プラグの焼け具合

プラグにもいくつか種類がありますが、このバイクには高品質なイリジウムプラグが使われていました。
プラグの焼け具合から、燃料の濃さ(燃調)やキャブレターの状態がある程度想像できます。
この状態だと、燃調(ガソリンと空気の割合)は適切だと判断できますね。
プラグの先端が真っ黒だったり、逆に白く焼けすぎていたりする場合は、燃調が合っていない可能性があるため、調整が必要です。
エアフィルターの状態

次に左サイドカバーを外しエアクリーナーを確認したところ、きれいなエアフィルターが出てきました。
エアフィルターは経年劣化でボソボソになり崩れてしまったりします。
汚れだけであればある程度きれいにできますが、ボロボロに劣化している場合は交換が必要です。

しかし、キャブレターへの接続部分が裂けてました。
外側から液体ガスケットが見えていたので想定内でした。

エアクリーナーBOXとキャブレターを繋ぐアウトレットチューブに取り付けられたジョイントの根元も補修されていました。
私はパワーフィルターに変更する予定だったので問題ありませんでしたが、もしエアクリーナーを使用する予定であれば交換をお勧めします。
オークションではこういった外からではわかりにくい部分があったりするので、現車確認時に修理履歴を聞けるといいですね。
アクセルの動き

アクセルがスムーズに開閉するかどうかは、非常に重要なポイントです。
動きが悪い場合はアクセルワイヤーなのか、キャブレターなのか原因を突き止めて改善します。
この車両のアクセルは問題なく動きましたが、グリップは若干のベタつきがあったため、交換が必要でした。
気になる点としては、クラッチレバーの先端がかなりキツく曲がっていました。
車両の傷などから判断すると、立ちゴケの可能性がありそうです。
売主さんの息子さん所有だったとのことで、大きな事故ではなさそうでした。
キャブレターの状態確認

キャブレターを取り外してみました。
表面にはアルミ特有の白サビが出ていましたが、中は問題なさそうでした。
バタフライバルブもピストンバルブもスムーズに動きます。

キャブレターのフロート室の蓋のネジと、

ダイヤフラムの蓋のネジは両方ともネジ山が潰れていました。
ネジ山が潰れてしまったネジは、専用工具を使用するか、しっかりと挟める場所であればペンチなどで挟みながら回して外します。

ネジの頭は使用しているうちにどうしても潰れてしまうことがあるため、私は整備のしやすさを考慮して、キャブレターのネジをすべてキャップボルトに変更しています。
フロントフォークなどオイル漏れ確認

ダストシールはヒビ割れもなくきれいな状態でした。
タイヤは前後輪ともにサイドウォールにひび割れが多かったため、ナンバー取得前に新品へ交換する予定です。
その他の確認事項
写真を撮り忘れていましたが、その他には以下の項目も確認しました。
ヘッドライトなどの灯火類(ウィンカー、テールランプ含む)
前後輪のブレーキの効き具合と摩擦剤の残量
エンジンオイルやディスクブレーキフルードの汚れ具合
中にはとんでもない状態になっている箇所も…..

最初は気付かなかったのですが、フロントフォークのトップがトップブリッジの奥に入り込んでいました。
この状態で走行されていたとは考えたくありませんが、強度の問題もあるため、すぐに規定の位置に戻しました。
まとめ:知識を持ってオークションに挑戦しよう
オークションでバイクを購入することは、価格の魅力や豊富な選択肢というメリットがある一方で、デメリットやリスクも存在するため、慎重に車両を見極めることが求められます。
中古車販売店での購入では、納車時にある程度の整備がされていることがほとんどですが、オークションでは基本的に現状渡しとなります。そのため、まずは自分の目で車両の状態を把握することが非常に重要です。
購入後も適切なメンテナンスや保険への加入を怠らず、正しい知識を持って準備を進めることで、安心で楽しいバイクライフを送ることができます。
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